
中央弘前駅から大鰐駅まで乗る。風船を持った親子連れもいる大変賑やかな車内である。

つり革は林檎の形をしている。これを見たところで林檎を食べたくはならないだろう。大鰐線もよく揺れる線路を長い時間を掛けて進んでゆく。モーターの音は甲高く響いている。途中奥羽本線をまたぐ箇所もある。奥羽本線乗車中には何の気なしに通り過ぎてしまうが大鰐線では展望が開けて弘前市街を遠望できる素晴らしい箇所だ。
大鰐駅では足湯に入って大館へ向かう。

ここからは特急つがるにて大館まで向かう。鷹ノ巣までとしなかったのは特急料金との兼ね合いだ。弟は初の在来線特急と言うことで非常に喜んでいた。かつては常磐線の主力車両であったが遠く左遷されて日本一の閑散特急への運用に入ってしまったE751系。比較的新しいだけあって騒音は少なく乗り心地も大変良い。訛りのきつい車掌も旅情を誘う。

これは下りのつがる号。大館駅で普通列車と交換を行う。大館では普通列車に乗り換える。大館にはリゾートしらかみも止まっていた。写真を撮ろうとすると車掌に怪訝そうな顔をされた。

鷹巣からは急行もりよしにて角館まで向かう。JRが鷹ノ巣、秋田内陸縦貫鉄道が鷹巣である。急行に乗るのは初めてであった。車内はまずまずの乗車率でボックスシートはすべて埋まると言ったところ。阿仁合までは多少滑舌の悪いアテンダントが観光案内や車内販売を行う。



九月中旬は田圃アートの見頃の季節で沿線には何カ所か田圃アートがあった。あと数日で稲刈りらしく田圃の秋田犬たちは最期の笑顔をこちらへ向けている。


これらは阿仁合以南の田圃アートたち。合計五つの田圃アートがあった。

シートには動物のイラストがプリントされている。この中には犬も混ざっているそうで(探す気にはならなかったが)夜の乗車の際など良い暇つぶしになるだろう。

車内にはこのように犬の写真もある。犬好きの方は是非。


途中、このような峡谷も見える。このようなところでは速度を落としてくれ、またガイドの方も積極的に一人一人回って注意喚起してくれるので見逃しようがないだろう。沿線には絶景と呼べるものが数少ないので魅力作りに必死なのだろう。私のようにどんな路線でも乗っているだけで楽しいという人はあまりいないのだろうか。 国鉄時代には鷹ノ巣~阿仁合、角館~松葉までが完成していた。そこをつなげて出来たのが当路線である。新規開業区間には長大トンネルである十二段トンネルも含むので相当な困難があったのだろう。


阿仁合駅では多くの車両と出会える。鼠色のサロンカーは最近出番が減っていて特別列車の運行の際、まれに運行されるのみらしい。新造はしないのだろうか。

角館に到着。実ははじめの写真も角館であり鷹巣ではない。詐欺である。

角館にも簡素な車庫はある。土産物屋さんのすぐ側に所在する。

帰りは田沢湖線で盛岡まで帰る。こまちに乗車したわけではない。みんな大好き701系電車である。騒音は大変少なくたまに冷房が止まったときなど走っているのか疑わしい瞬間すらあるほどだ。ロングレールの頼もしさを思うとともに、普通列車の増便を願う。